田 口 学 校
 明治5年(1872)「学制」が発布され、近代教育が始まりまった。県内最初の小学校は、同年開校の厩橋学校で、同年8月までに499校の小学校が設立された。設立当時の校舎は、寺院借用331校、廃寺13校、旧官舎5校など、大部分が借地、借家であった。
 田口学校は、明治7年(1874)1月勢多郡田口村の宝林寺に設立された。本尊の仏壇の周囲が教場になっていて、江戸時代の寺子屋の延長ともみられるもであった。後に桃川学校の分校になり、さらに本校に合併された。
 明治7年当時は義務教育といっても強制力は弱く、授業料もかかり就学率は30%以下(全国平均)であった。政令で義務教育が謳われたのは明治19年小学校令で、尋常小学校4年を義務教育にしたのが始まりである。授業料が廃止されたのは明治33年で、小学校が6年になったのは明治40年からである。この年は朝のドラマ「おしん」で小学校入学を楽しみにしていたおしんが奉公に出された年であった。この頃の就学率は95%を超えていた。
 

     田口学校沿革誌                      田口学校平面図(宝林寺本堂)
 

   小学初等科卒業証書(明治15年)