三峰神社(三峰(峯)講)
   遠隔地の社寺に代参を立てて信仰を続ける講が各地にあった。田口で行われていたのは三峰(峯)講で、埼玉秩父三峰の信仰である。
   代参が始まった時期は不明だが、その方法は、毎年4月上旬に講員が交代で2名位づつ出かけ(昭和30年頃までは泊まり掛けで行ったそうである)、留守中に他の講員が集まって御仮屋(竹柱、片屋根藁葺き)を作り替えた。(御仮屋を毎年作り替えるのは容易でないため、恒久的なものとして木造銅葺きのもの(建立時期不明)を作った。それが今も橘神社境内に残されている。)代参者は神札を受けて帰り、御仮屋にお札を納めた。その後、講員は宿となった家に、米1合とお札代を持参してお日待ち(お札授受、会食)をした。
   田口では、講員十数人の組が四つあって、それぞれが代参等を行っていた。平成になってからは世代交代で脱退者が多くなったため、一つにまとまって行われてきたが、お日待ちもせずお札を配付するだけの形式的なものになり、平成30年に仮解散して今は行われていない。
三峰神社(御仮屋)(所在:橘神社境内)
お札(左端のお札は代参者のみ)
三峰神社(秩父観光協ホームページから引用)