名主
 江戸時代の村役人であり、人格、識見等に秀れ、かつ資力と人望のある人が世襲制、話し合い等により選任された。また、村三役として名主のほかに組頭、百姓代の組織があった。
【名主の職務として】
 @ 行政的事務(米永年貢の割当と上納、道路橋梁等の土木工事等)
 A 庶務的事務(養子縁組、婚姻、遺産相続、村奉公人の受入処理等)
 B 警察的事務(宗門改め、村出入人の監査、鉄砲所持者、喧嘩口論の取締り等)
 C 領主からの触書の公布、村議定の制定等(村の規定、申合わせ)

戸長
 明治5年から、同22年までの17年間村の代表者として、村の治制を行い、数戸村で聯合戸長役場を設け、県、郡からの命令伝達、行政事務を処理しており、役人的な職務が多く、ある程度の権限も与えられていた。(県役人等級16等)明治22年新市町村制実施により戸長制廃止。

区長所(区長)
 明治22年から昭和42年まで80年間村(町)の代表者として、区自治の中心として地方自治に尽力。区長1名、区長代理3名、伍長(約10戸単位)20名位からの組織で任期は1ヶ年、区長宅に事務所があり昭和25年から同53年まで宝林寺内にあった。
 第2次大戦後、数か年嘱託員とも呼称され、報酬は区費から支出又は無給与であった。
 主な職務として、県市村からの通知の処理、納税の取扱い、土木・衛生・消防等の対応と処理・橘神社の祭事と維持管理への協力、産業(特に農業)の制度事業の推進と振興に協力、区費(町費)の割当と徴収。その他諸問題の職務遂行は慣行と常識により処理された。

自治会(自治会長)  <自治会歴代役員>
・昭和42年前橋市行政自治会制度になったことに伴い、同年4月田口町自治会が発足し自治会長は行政自治委員を兼務することになった。
・昭和43年4月3日の臨時総会において田口町自治会会則が制定された。
 自治会の発足により、従来の区長は自治会長に、区長代理者は副会長に、伍長は組長に変った。
・昭和48年4月定使番制度を廃止し、事務連絡員を配置した。
・昭和58年1月23日の定期総会において組長代表制度が設けられた。
 天神窪、八幡、田尻、新町、芝木谷、橘、東北の7地区に組長代表をおいた。
・昭和60年県営住宅団地が建設され、3地区に区分し、組長代表をおいた。
・昭和62年轄イ田住宅センターの分譲住宅団地建設により、県営住宅団地(8棟)を含めて、内島地区として組長代表をおくこととした。
・平成4年4月から県住宅供給公社の分譲地に35戸が建設されたので、向島地区として組長代表をおいた。
・平成17年度 前橋市「一地区一自慢コンテスト」自慢大賞受賞。(ほたるの里)
・平成20年度「ほたるの里」環境大臣賞受賞。

定使板(じょうづかいばん)
 昭和22年から昭和42年まで区長所と呼ばれていたころに、区長所の指名により輪番制による労役奉仕のときに使用された板である。(現在自治会事務所に保存)